Tab 1
デジタル一眼の選択
デジタル一眼の長所、短所がわかり一念発起いざ買おうと思っても一体どのメーカーのどの機種を買おうか?と悩むと思います。 買おうと思ったからにはそれなりの理由があると思います。予算や使い道が決まれば購入する機種は絞られてきます。参考までに
○手軽にデジタル一眼を楽しみたい方
とにかく軽いデジタル一眼をおすすめします。 コンパクトデジカメに慣れている人にとってデジタル一眼は想像以上に重いしかさ張ります。機能を求めて重い機種を購入しても気軽に持ち歩くことが出来ずデジタル一眼を楽しむことは出来ないと思います。機能はそこそこでも軽量だと気軽に持ち歩いてデジタル一眼を楽しむことが出来るとおもいます。
○初めてだけど、これから本格的に写真に取り組みたい方
いきなりでしり込みするかもしれませんが中級クラスを購入することをお勧めします。 最上位機種は機能は最高なんですが、かなり高額で、初心者のための機能がほとんどないので一眼レフが初めての方には操作出来ないとおもいます。 でも最近の中級クラスのデジタル一眼はシャッターを押すだけで撮影できるフルオート機能が付いてるから安心。しかも最上位機種に迫る性能を誇る機種もあります。 あなたの知識や技術がレベルアップしても、あなたの要求にしっかりと応えてくれるでしょう。
どのクラスのカメラを買うにしても、カメラのスペックを細かく検討することも重要だと思います。次はそのスペックについて気になる項目を見てみましょう。
Tab 2
デジタル一眼気になる性能
画素数
大体1000万画素前後が大半です。A3などに大きくプリントアウトしない限りあまり気にすることはないと思いますが、 どうしても高画素の機種に目が行ってしまいます。ここで、A4からA3ノビにプリントアウトした時の出力解像度を見てみましょう。 ちなみに出力解像度が200dpi〜350dpiで最高品質のプリントアウトが出来るとされています。 これ以上の解像度でプリントしても時間がかかるだけで見た目はかわりません。 これを参考に選んでください。
画素数 | 610万画素 | 1010万画素 | 1510万画素 |
サイズ | 3008×2000 | 3888X2592 | 4752×3168 |
A4(297X210mm) | 約260dpi | 約330dpi | 約400dpi |
A3(420X297mm) | 約180dpi | 約230dpi | 約290dpi |
A3ノビ(483X329mm) | 約160dpi | 約200dpi | 約250dpi |
ファインダー視野率、ファインダー倍率
ファインダー視野率とは、ファインダーを覗いて見える映像と実際に撮影される映像の比率を表しています。 例えば、ファインダーで見えた範囲がそのまま撮影されれば視野率は100%と言えます。 視野率が低ければファインダーで確認できない物が写ってしまいます。
(下図参照)
ファインダー倍率とは、50mmレンズを使用したときにファインダーで見える様子が肉眼で見た時とどれくらい違うかを%で表しています。 ファインダー倍率が90%であれば肉眼で見た様子の90%の大きさで構図を確認できると言うことです。
手振れ補正機能
失敗写真に多いのはカメラぶれと被写体ブレです。カメラぶれとは、シャッターが開いている時にカメラがブレて撮影された画像全体がブレて写る事、 一方被写体ブレとはシャッターが開いている時に被写体が動いてブレて写る事です。 この手振れ補正機能はカメラブレを補正する機能です。静止している被写体を撮影するときに効果を発揮します。 ただし早く動いている被写体(赤ちゃんなど) にはほとんど効果がないので注意してください。 イメージセンサーで補正するメーカーとレンズで補正するメーカーがあります。両方とも補正の効果は同じですが、 レンズで補正するメリットはファインダーでブレが収まっているのを確認することができる事、 カメラ本体で補正する方はファインダーでブレを確認することは出来ませんがどのレンズでも手振れ補正が出来る点です。
ライブビュー撮影機能
コンパクトデジカメのように背面の液晶画面を見ながら撮影できる機能です。 中にはこの液晶画面が動いてハイアングル撮影やローアングル撮影がしやすくしている機種もあります。 また液晶画面を拡大して微妙なピント調節が出来る機種もあります。 この拡大機能はマクロ撮影などで威力を発揮すると思います。 モニターの画素数は23万ドットか92万ドットが大半です。ドット数が多いほど高精細に見えます。
連写スピード
連写スピードって一体どんなときに使うのか? 例えば、私の場合、動いている被写体や表情がある被写体を撮影するときは、高速連写で撮影し後からベストなものを選ぶといった使い方をしています。
ISO感度
ISO感度をその場で自由に変更できる事はデジタルカメラのメリットの一つにあげられます。 最近、常用ISO感度3200とフィルムカメラでは考えられない高感度撮影が出来る機種が増えてきています。 しかも低ノイズで
高感度であれば多少暗くても気軽に手持ち撮影が出来大変便利です。 でも、一番高画質なのはそのカメラの一番低いISO感度であるという事を覚えておきましょう。動画撮影機能
カメラには必要のない機能かもしれませんが最近フルハイビジョンの動画が撮影できる機種が登場してきました。 一眼レフの高画質で気軽に動画も撮影したい方は要チェックです。
気になる機能はこれくらいだと思います。後は販売店に行き色んな機種に触れてみてください。手に取った時のフィーリングはスペックに変えられない大事な要素だと思います。
Tab 3
レンズの選択
一眼レフは交換レンズが豊富にそろっているのも魅力の一つだと思います。 最初は標準レンズキットから始めて更に撮影したい目的に応じて二つ目のレンズを購入するのもいいし、 最初から「こういう写真が撮りたい!」と決まっている方は1本目からその目的に応じたレンズを選びたいものです。 レンズ選びの予備知識として参考にしてください。
【レンズの種類】
単焦点レンズとズームレンズ
単焦点レンズとは1つの焦点距離しか持たないレンズで一般的にズームレンズより画質が良いといわれ、 構造が簡単な為、一部の大口径単焦点レンズを除いて、軽くてコンパクトなものが多いです。 しかし、幅広い焦点域を単焦点レンズで揃えるとなると何本ものレンズを買い揃えないといけないのでお金もかかります。 自分が好きな焦点の単焦点レンズだけを購入するのも一つの方法です。一方のズームレンズは一本で幅広い焦点域をカバーできる為とても便利なレンズです。
一昔前まではズームレンズの画質は単焦点レンズに比べて見劣りしていたらしいですが、 今は技術の進歩のおかげでズームレンズの画質は格段に向上しているみたいです。 ズームレンズには開放F値(絞り値)が一定のものと変化するものとがあります。 少々高価ですが出来ることなら開放F値が一定のズームレンズを選びたいものです。 理由はズームインしても絞り値が変化しない為、シャッタースピードも変化しないから。。。
◆超広角レンズ
〜24mm位の焦点域をカバーするレンズ。
魚眼レンズなどほぼ180度の範囲を撮影出来るレンズもあります。面白い写真が撮れますがすごく用途が限られてしまいます。
◆広角レンズ
約28mm〜50mm位の焦点域をカバーするレンズ。
・風景写真など広い範囲を撮影するのに適しています。
・被写界深度が深く遠くから近くのものを鮮明に撮影出来る。
・遠近感を誇張した表現が出来る。
◆標準レンズ
約50mmから100mm位の焦点域をカバーするレンズ。
・人間の目で見るのと同じように撮影出来るので幅広く使用できる
・ポートレートから風景まで幅広く活用できる。
◆望遠レンズ
約100mm〜300mm位の焦点域をカバーするレンズ。
・遠く離れた被写体をぐっと近くに引き寄せて撮影することが出来る。
・圧縮効果を利用した表現が出来る。
・被写界深度が極端に浅いので雑多な背景をきれいにぼかして被写体をクッキリと際立たせることが出来る。
◆マクロレンズ
撮影倍率が1:1のレンズ。
・花や昆虫などの小さな世界をクローズアップして撮影することが出来る特殊なレンズ。
・遠くの被写体にもピントが合わせられるので風景撮影やポートレート撮影といった普通レンズとしても使うことが出来る。
◆高倍率ズームレンズ
広角から望遠までを一本でカバー出来るので旅行などに持っていくにはとても便利なレンズだと思います。
Tab 4
レンズの様々なテクノロジー
【非球面レンズ】
大口径レンズの球面収差 補正や広角レンズの歪曲収差補正、 ズームレンズの小型化などを実現する為に使用されています。
【特殊低分散レンズ】
画像のシャープネスを低下させる残存色収差=2次スペクトルを除去する為に使用されています。 望遠側で問題になる軸上色収差、広角側では画像周辺部で問題になる倍率色収差を 各社色々な特殊なレンズを使用して収差をなくそうと努力しているんです。
【超音波モーター】
キャノンが世界で始めて実用化に成功したモーター。高トルク・高レスポンスで、すばやくピントを合わせられる。
超音波の振動を回転エネルギーに変換する為、作動音がほとんどしません。
各メーカーの超音波モーター
キャノン:USM ニコン:SWM シグマ:HSM
ペンタックス:SDM ソニー:SSM
【フルタイムマニュアル】
AFでピントを合わせた後、AFモードのままマニュアルフォーカスでピントの微調整が出来る。
【リアフォーカス】
AFはモーターによってレンズを駆動しピントを合わしているため、 フォーカス系レンズの重量がフォーカシングスピードに大きく影響します。 そこでレンズ内の一部のレンズを移動して重量を軽減し高速で精密なオートフォーカスの制御を実現する為に採用されています。
【手振れ補正】
キャノンとニコンはレンズ内手振れ補正を採用しています。最近は手振れ補正機能付きレンズのラインアップも充実してきています。 シャッター速度で大体2段から4段分の手振れを補正します。
各メーカーの手振れ補正名称
キャノン:IS ニコン:VR タムロン:VC シグマ:OS
これらのことを知っておくと購入時に色々と選び方に幅が出るんじゃないでしょうか。
Tab 5
三脚の選択
静物撮影に於いて失敗写真に最も多い原因は、手ブレによるものです。 旅先での思い出や感動的な風景を撮影しても手振れは写真を台無しにしてしまいます。 大概はシャッターボタンを押すときにカメラも一緒に動いてしまい、ブレて不鮮明な写真になってしまいます。その対処の一つとして三脚を使用します。 また、夜景撮影や、近接撮影、スローシャッターで川の流れを表現したり、風景を近くから遠くまで鮮明に撮影したい場合などにも三脚は欠かせません。 選び方のポイントをまとめてみました。
【最大耐荷重】
強風を受ける時などセンターポールのフックににサンドバックやバックパックを吊り下げる事を想定して 撮影機材の重量よりも最大耐荷重が高いものを選ぶことをお勧めします。
【開脚角度と最低地上高】
三脚を設置する所は何も平坦な所だけとは限りません。斜面に設置しなければならない時や橋の手すりに寄りかかって設置する時もあります。 そのような時は状況にあわせて脚の角度を変えなければ設置出来ません。 また地表近くに咲いている草花をマクロ撮影する時は脚を思いっきり開いて設置することがあります。 三段階、四段階ぐらい角度調整出来る物を選んでおいたほうがよいでしょう。
【ロック方式】
ワンタッチで脚がロックできるレバーロック方式と強固に脚をロックできるロックナット方式があります。それぞれ一長一短があります。 ナット方式はナットを緩めたり閉めたりする際に脚が空回りして使いにくい機種もありますが、締め付ける順序さえ間違わなければさほど問題はありません。 最近は空転防止機能がついている物も出回ってます。実際に触って確認したほうがいいと思います。ナット方式は機構が単純なため壊れにくいと思います。 レバーロック方式は締め付けや解除がワンタッチで出来るのが魅力ですが、使っているうちにロックが甘くなってきたりする場合もあるみたいです。
【三脚の伸長、縮長】
伸長は撮影スタイルに応じて選ぶのですが、少し値段が高いですがアイレベル(カメラが目の高さ位までくる) の三脚が大きさ、撮影の快適さ、重さ、のバランスがとれていて良いのではと思います。 実際に目の高さまで何センチあるのか測って参考にするのが良いと思います。
縮長は携帯性に於いて重要で三段と四段があり四段の方がコンパクトになりますが、 ロックする箇所が多いため締め付けや解除する箇所も多くなります。
【重量】
重量は持ち運びの事を考えると軽い方が良いでしょう。少々値段は高いですがカーボン製 三脚が軽い上に剛性が高く持ち運びしやすいのでお勧めです。 人にもよりますが大体2キロまでだと持ち歩いていても苦はないです。
【剛性】
最大耐荷重で大きくても剛性が低ければ安定した三脚とは言えません。レンズの焦点距離が長くなればなるほど三脚の剛性は重要になってきます。 有名メーカーであれば大丈夫だと思いますが、 お店などに行って実際に触って確かめたりして十分に考慮する必要があります。 脚を広げた状態で上部を持って回して見てグニャグニャしてたらあまり剛性がないということです。
【サポート】
三脚は使用していくうちに各部の動きが悪くなったり、どこかにぶつけて損傷したりします。 そうした時に購入したメーカーのサポートがしっかりしていれば安心できます。 中でもGITZOの三脚は10年、20年前の三脚の部品も問題なく手に入り修理が可能です。 少々高いですが一生安心して使用できるんじゃないでしょうか。
三脚は自分の撮影スタイルに合った質の良いものを購入すれば一生ものです。(値段が高ければよいというわけではありません) 自分に合った三脚は常に持ち歩きたくなるものです。 常に持ち歩いているといざという時に力を発揮してくれる頼りになるパートナーとなってくれるでしょう。
【メーカーサイト】
Tab 6
雲台の選択
雲台はカメラを思い通りの方向や角度で固定する機材です。大まかに分けて3つのハンドルで三方向を独立して操作する3ウェイ雲台と、 一つの固定ネジでカメラをあらゆる方向に操作できる自由雲台とがあります。 3ウェイ雲台は風景など構図をじっくりと決めるような撮影スタイルに向いています。しかし、マクロ撮影を多くする方は ファインダーを覗いたときにハンドルが邪魔にならないか確認しておく必要があります。 マクロ撮影は不自然な体勢で撮影する事が多いのでこの雲台は操作しずらいと思います。 自由雲台はその名の通り構図が手持ち感覚でより自由に決められるのが特徴です。
雲台に求められるのは滑らかで高精度に動作する事とカメラの位置をロックした時にカメラ位置が少しずれてしまう現象(ドリフトアングル) が少ない事だと思います。 後はデザインや操作性、耐荷重、大きさ、重さなどを考慮する必要があります。 可能であればお店に行って店員さんにお願いし実際にカメラを取り付けて確認するのが一番確実です。プラスチック製の製品はお勧めできません。